
最後に訪れたのは「湿板写真館」。湿板はしっぱんと読みます。
幕末の写真技法で、有名な坂本龍馬の写真は、この技術で撮られています。
写真家、和田高広さんの自宅兼写真スタジオ。
建物のリノベーション設計は、授業の講師をされた安井先生。
1階のスタジオは直射日光を遮るような建具の工夫、
無柱空間を作るための構造的工夫がされています。
変わって2階は天井(屋根)の一部分がスパッとガラスのトップライトになって
明るく機能的なワンルーム空間になっています。
和田さんから、スタジオも住宅もとても快適であることや、
湿板写真について等々、引込まれるお話を伺うことができました。
光と写真は切っても切れない関係。
ここを改修した当初、和田さんは違う技法で作品をつくっていました。
今は湿板写真に魅せられて研究を重ねながら、ポートレートを撮っておられます。
最近わかったことが、2階の住居スペースのトップライトの光が
湿板写真に実に向いているということ。
空間と写真とのコラボレーションが10年の時を経て、実現するという、
不思議なお話に、アートの共鳴を感じました。


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